韓国の公共交通がさらにスマートに

ソウル市の定額制交通パス「気候同行カード(Climate Companion Card)」が、2025年11月25日から大幅に改善されました。これまで地下鉄駅へ行かなければできなかった物理カードのチャージ・返金・利用停止が、モバイルアプリで完結できるようになります。
今回の発表は、ソウル市が公式運営する情報サイト「ソウルメディアハブ(서울시 미디어허브)」によるもので、市民の利便性向上を目的とした正式なアップデートです。
一方で、気候同行カードは30日利用登録が前提の定額制パスであるため、数日〜1週間ほどの短期旅行者にとっては、費用面や手続き面であまり便利とは言えない点には注意が必要です。
物理カードもスマホで統合管理へ

今回の改善により、これまで地下鉄駅でしかできなかった操作が、モバイルT-moneyアプリ1つで完了します。
■ アプリでできること
- チャージ(新規/再チャージ)
- 残高確認
- 利用履歴確認(乗降時間・路線・タグ漏れの有無)
- 一時停止(カード停止)
- 返金手続き
Android・iPhoneのどちらでも利用可能で、気候同行カードをスマホ背面にタッチするだけで認識されます。
使い方|スマホにタッチするだけの簡単チャージ

充電(チャージ)方法はとてもシンプル。
以下の手順はソウルメディアハブで案内されている公式手順です。
【チャージ手順】
- モバイルT-moneyアプリを起動
- 「実物気候同行カード照会/充電」を選択
- スマホ背面に気候同行カードをタッチ
- チャージ券種を選択
- 使用開始日・期間・割引券を設定
- 情報を確認して完了
【補足】この手順は、主にソウル市民が日常利用することを想定した案内です。
短期旅行者が利用する場合は、金額や利用日数のバランスをよく検討する必要があります。
さらに詳しく|利用履歴も一目で確認

アプリでは、カードの利用状況をさらに詳細に確認することができます。
- 乗車・下車時刻
- 利用した路線
- タグ漏れ(下車未タグ)の有無
- 支払い履歴の一覧
通勤中のルート確認や、タグ漏れのチェックも簡単になり、実用面でのメリットは非常に大きいとされています。
返金・停止手続きも簡略化

以前は、
駅 → 無人機で停止処理 → 返金申請
という流れでしたが、これからは
アプリで停止 → T-money公式サイトで返金情報入力
で手続きが完了します。月末の利用期間終了前に残高を返金したい場合も、これまでよりスムーズに行えるようになります。
旅行者は要注意|短期滞在では“お得になりにくい”

ここは、日本の読者・旅行者にとって重要なポイントです。
気候同行カードは
- 30日利用が前提の定額制パス
- 利用期間内にどれだけ公共交通を使うかで“元が取れるか”が変わる
という性質があるため、
● 短期旅行者にはあまり向かない
2〜5日程度の旅行では、
- 利用回数が少ないと割高になりやすい
- 停止・返金手続きも必要になる
といった点から、「便利でお得」とは言いにくい制度です。
● 一般のT-moneyカード利用が現実的
そのため、ソウルを訪れる日本人旅行者には、従来どおり
一般のT-moneyカードや交通系ICを使う方法が最も分かりやすく、柔軟性も高いと考えられます。
今回のアップデートは、あくまでソウル市民の通勤・通学など“日常使い”を想定した利便性向上策と捉えるとイメージしやすいです。
気候同行カードの利用状況と背景

気候同行カードは、公共交通を活用したソウル市の気候対策政策の一環で、開始以来大きな支持を得ています。
- サービス開始:2024年1月27日
- 累計利用件数:1,615万件超(2025年11月時点)
- 都市圏への対象拡大、短期パス、カスタマイズ割引など、サービスは継続的に拡大中
ソウル市は「気候同行カードは市民にとって必要不可欠な政策であり、今後もサービス改善を通じて公共交通の利便性向上と気候対応の両立を進めていく」とコメントしています。
編集部コメント|市民には“神カード級”、旅行者は様子見が無難

スマホだけでチャージ・停止・返金まで完結する今回のアップデートは、ソウルに暮らす人にとってまさに“手放せない定期パス”がさらに便利になった印象です。
一方で、30日定額という性質上、短期旅行者にとっては「お得で手軽」というほどではなく、現状では一般のT-moneyカードの方が使いやすい場面が多いでしょう。
とはいえ、ソウルの公共交通は着実にデジタル化・スマート化が進んでおり、今後、旅行者向けサービスに展開される可能性にも期待したいところです。
【出典:ソウル市公式メディア「ソウルメディアハブ(서울시 미디어허브)」】
【取材・文:たべたびコリア編集部】


